方丈記
鴨長明の方丈記はあまりにも有名なのでしっていらっしゃるでしょう。
ですが内容についてはあまり知られていません。
またお坊さんのぐじゃぐじゃした愚痴っぽいエッセイかなと思っている人は多いと思います。
方丈記は実は歴史書としての意味合いが強い書でもあります。
当時の都の様子や、天変地異についても記載されています。
平清盛によって、無理やり遷都された福原京の様子。
そのため旧都はさびれていき、新しい都は完成せずに税だけむしり取られて苦しい人々の生活の様子などを描写しています。
昔の素晴らしい帝の時代には、人々のかまどから煙があがらないのを見て、税の徴収が免除されたという話も書いています。
このかまどの煙のお話は、仁徳天皇のことでしょう。
そして大地震が起きた記録も書いてあります。
これは元暦の大地震のことです。
当時の状況が方丈記によって詳細にわかったのですね。
賀茂一族
鴨長明は賀茂一族の人であり、下鴨神社の神主の家柄です。
ですが親族の者にその座を奪われてしまいます。
後に後鳥羽上皇の口利きで神職に戻れることになりましたが、下鴨ではなく河合神社というところでした。
やはり下鴨神社の神主の家柄であるのに、それは納得がいかなかったのでしょう。
それと神職の人たちからの横やりもあり、そのまま出家をしてしまうのです。
ゆく川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらずではじまる方丈記はやはり世の無常を味わった、鴨長明ならではの書なのですね。
賀茂一族は陰陽師である賀茂忠行・保憲親子に行きつきます。
賀茂忠行は陰陽寮のリーダーである陰陽頭(おんみょうのかみ)の座に就いた人です。
今昔物語集に賀茂忠行は登場します。
ある法師が、賀茂忠行に占ってもらったところ、
忠行に「盗賊に襲われて死んでしまう悪い気がでています」
と言われます。
それを回避する術を法師は忠行から教わります。
それからしばらくして、法師の家に盗賊が押し入ります。
ですがその日法師のところに平貞盛が逗留しており、警備が厳重であったために盗賊は逃げ出し、法師は無事でした。
陰陽師というより超能力者ですね。
賀茂一族については陰謀論的なものがたくさんでてきます。
賀茂県主同族会という団体がいまでもあるのですから、何かありそうな感じがしてしまいます。
少しずつ調査をしていきたいと思います。
この記事へのコメントはありません。